ノーブランドの世界
よく行く個人経営の服屋さんがある。
デニムなどのリペアが有名なお店で、どちらかというとそちらの方がメインなんじゃ?
という感じなのだが、
店長がセレクトしてきた一般のアパレル商品も置いている。
ほとんどがいわゆるノーブランドなのだが、痒いところに手が届くような程よい価格帯でいい感じのアイテムが多い。
ユナイテッドアスレやら無地系もいっぱいあり、マニアックなシリーズも置いてある。
店長さんと仲良くさせていただいているのだが、トップスを試着した時の営業トークで頻発するワードとして、
「ここ最近ずっとトップスの形はボックスシルエットが主流だから使いやすいよね」
というのがある。
「使いやすくてジャスト」なフィット感・サイジングというのは、ただ身体に沿ってタイトなら良いというわけではなく、その時その時で変わってくる。
例えばデニムジャケットでいうと、
こういう昔の3rd〜4thとかのウェストがシェイプされている逆三角のシルエット
(もともと3rdはポケットの下の逆三角形ステッチとかデザイン的にも逆三角形を強調してしまうデザインだけど)
ではなく、
最近はこんな感じの
ウェストの絞りが少なくストンと真っ直ぐのシルエットのものが主流。
実際にこっちの方が今っぽいコーディネートがしやすい。
最近の新品のは古着に比べて身幅を狭くしつつ搾りを弱くし、アームホールを小さめにし着丈を若干短くするなど調整していると思う。
アームホールがタイトな方が使いやすくておしゃれというのはここ数年だいぶ認知されてきている点でもある。
2ちゃんで「アームホール厨」という言葉を見た時にちょっと笑ってしまった。
アームホールも
この辺のレベルだと急激に使いにくくなる。
特に1番下の70505がわかりやすい。この写真の感じのシルエットとサイジングは絶対使いにくい。
アームホールを単純に昔より細めにしている所はだいぶ増えてきたと思うが、
ウェストのシェイプ具合、着丈、もっと言うと、どのくらいフィットを緩めにするか、という点についてはブランドによってかなり差があると思う。
それがブランドの姿勢というかどのくらいファッション性を意識しているかの差が出る部分でもある。
もちろんもともとアームホール太い逆三角形シルエットのMA-1やデニムジャケット、スウェットなどをオーバーサイズで着るやり方も流行っているけど、それはまた別の話。
(あれ古着屋さん在庫がはけていいだろうなと思う。40とか42とかのサイズのデニムジャケットとかガチの古着のMA-1とか普通は売れないだろうし…若い子とか買ってくのかな?ブランドものだと、もっと極端な団子みたいなシルエットにしてるよね…)
あくまでジャストサイズについての話をしている。
必ずしも「今」のシルエットを持つアイテムは雑誌に載ってるようなブランドじゃないといけないわけではなく、いわゆる「ノーブランド」というくくりになるような国内のアパレルメーカーでも良いものはたくさんある。
ノーブランドとは言ってもちゃんと半年前とかに企画をして、デザイナーがいて、工場があって展示会がある。
その中にある「使える」アイテムをセレクトできる、セレクトしてくれる人はどのくらいいるのだろう。
ユニクロとかGUでシャツだのジャケットだのスウェットだの買う前にこういうところをもっと発掘した方がいいと思うんだけどな。