元ネタはすでに出尽くしている
カルチャーを制するものはオシャレを制する、の話をより深めた記事だと思ってもらえばいいと思います。
この記事を書いている時点で2016年ですが、
今あなたが最新の流行だと思っている服やアイテムは既に昔流行ったものを再構成したものに過ぎません。
もうだいぶ前から、流行とは「リバイバル」と同じ意味になっており、業界もそれを隠そうとはしなくなってきました。
インターネットの影響だと思いますが、
昔は服好きやアパレル関係者、古着屋とか一部の人しか知らなかった、
このコーデにはコレ、といった「分かってる」アイテムという
元ネタをみんながあらかじめ共有している事が前提になってきました。
まるで、どれだけマニアックな元ネタを知っているか?がオシャレの深度になっているかのようです。
そういう意味でファッションは世界的には既にハイコンテクスト化が限界まで進んでいるのではないかと思います。
そして、ここまで極端なのは日本だけなのかもしれないですが、結果、「正解」とされる鉄板のブランドの特定のアイテムだけが一時的に価値を爆上げされ、当時のカルチャーをよく知らない人がほとんどなのに流行と言うだけでそれをわざわざ選ぶ。また、知らないうちに「復刻」を選んでいるという異常事態。
特に靴。
もっと言うと最近で言えば
ニューバランスとスタンスミス。
あとナイキの復刻。
今だ!と言わんばかりにアップデートしたものが再販され、ギリギリみんな買えるお求めやすい価格設定がされるため、わざわざ違うものを買う必要がなく、
どんなに新しいデザインを作っても、結局それらの劣化コピーとして見られてしまう。
一部の利便性で評価されたアイデア商品や本家の激安コピー版みたいのだけ、かろうじて受け入れられている状態ではないでしょうか。
服にしろ、本当に手堅いやつしか売れないですよね。
ただ元ネタである古着やミリタリー、スポーツウェアの美味しいところを残し、いかに余計な要素を入れずに今のサイジングとシルエットに直せるか、という事が期待されているだけ。
値段が高いイコールその分当時の再現度が高い。さらにディテールなどで「わかってる感」や「プレミア感」を無理やりアピールしたりして。
つまり、実質的にはもう
ファッションのためのデザインは死んでいます。もう進化しません。
誤魔化しながら、見ないようにしながら続いているけど、もう死んだのです。
オリジナルだけが価値がある。
次回は以上の事を詳しく書きます。