置き換えられるか?がポイント
皆さんは自分の服装について、なぜそのアイテムを選んだか?が説明できますか。
なんでもおしゃれとされているブランドやこのジャンルの服装はこのブランド!みたいな中から選ぶべきだと思って思考停止してませんか。
また、そのアイテムと同じように使えるアイテムをある程度の精度の差はあるにしても
安値でワゴンセールの中からもある程度精査して近いものを探すことが出来ますか?
また、選べたとしたらどこで判断して「同じように使える」と思いましたか?
これは、そのアイテムを着用することで狙ったバランスを作るために必要な要素がどこなのかがわかっている必要があります。
究極は自分でそのアイテムを作れるか、自炊できるか?ということです(実際には作れませんけど。作れる人がオリジナルのブランドを立ち上げるんでしょうね)
どんなバランスのどんな比率のどんな厚みのどんな色合いの物が必要か、が自分でわかっているということ。
例えばVANSのスリッポン。
石を投げたら当たるくらいその辺の人がみんな履いてますね。
最近の現行品の量販店で売ってるやつって、かかとに割と大きめのオフザウォールの赤いパッチがあると思うんですけど、これ完全に余計な要素で、著しくバランスを崩すと思うので、ないやつが欲しい。
そして、形が幅が広くて、さらにつま先が丸すぎて履いた感じが間延びしていてイヤなので、
もう少し幅が狭くて、つま先がもうほんのちょっとだけ細いのがいい。生地がちょっと薄くても良いから。
そして黒のスリッポンだと、下の白いソールの部分の高さがあり過ぎて白の分量が多過ぎ。
だからもう少し白の分量を減らしたい。
だけどある程度の甲の高さは担保したい。
ぺったんこ過ぎるのはイヤだ。
逆にこれらの条件を満たせばいいので、
余計な線とか変な生地の合わせ方とか1つだけシューレースのホールが色ついてるとか変なディテールがなければ全然ノーブランドとかでもOK。
ブランドうんぬんじゃなくて、
作りたいバランスがどんなものなのか?
の方が重要。見た目が全て。
これらはあくまで自分の中でしか成り立たず、他の人にあまり応用が効かないと思うので人には説明しにくいけど、自分はわかっている必要がある。
特にソールの白の分量とか本当に数ミリの違いでしかないので、気にしない人は気にしないと思うけど、自分の場合、明らかに全体のバランスを崩す要因になるとわかるから避ける。
おそらく白の分量は身長や脚の太さ、長さによってバランスが変わってくるはず。あとは地の色が何色か、白のソールとのコントラストがどのくらいつくのかでも変わると思う。
これをクリアした上で
コーディネートを考える必要がある。
まず体に合うものを探してから
コーディネートの詳細を考える。
合わせたいパンツとかが決まっているなら
パンツの数だけ比率がある。
でもいちいち違うのを買ってられないので、
自分の体に合わせればちょうど中間が取れる。
すると自然に自分に合うパンツの太さや丈なんかも決まってくる。
逆転の発想。
単純にスケーターとかストリートっぽい格好だからVANSでしょ、というのは短絡的。
別にいくらでも取り替えが効く、というのはわかっておくべきだと思います。
これを頭に入れておけば、何を選ぶにしても理由が明確なので、サイズさえ大きく間違えなければ、買ったのに使えないということは減りますし、節約しておしゃれに見せることが出来ます。
こだわりじゃなくて見た目で服が選べるようになります。
似合う似合わないの審査が厳しくなります。
例えば、頭の形に合ってない、身長や体型と合ってない、まゆげから頭のてっぺんまでの長さとのバランスがイマイチなのに猫も杓子もニューエラのFIFTYFIVEをかぶることはないんです。
カルチャーを制するものはおしゃれを制する
あえて断言すると、
何か文化的・思想的バックボーンを持っていない人のおしゃれは浅い。
いや、おしゃれな人知ってるよ、と言う人もいるかもしれないけど、それは流行りものが好きなだけでおしゃれじゃない。
流行りモノが好きな人イコールおしゃれな人ではない。
もっと言うと単純に「今っぽい外人みたいな見た目になりたい人」だと思う。
どうだ図星だろう。お前ら外人になりたくてしょうがないんだろう。だったらあんなにサングラスばっかりかけないだろう。
文化的・思想的バックボーンと言ってもそんなに大層なものではなく、
年を取ってもおしゃれな人はほとんど
若い頃に海外カルチャーの類、
音楽をはじめ、映画・スポーツ(サーフィン・スケートボード等の横ノリ系。音楽と密接に関係)、等にどっぷりハマった経験がある。
そして今もそのカルチャーをまあ、愛している。(現状のシーンが良いと思っているかは別として)
日本人でも現在もおしゃれの重鎮とされている人はモデルとかタレントではなく、昔の海外カルチャーに造詣が深い人達です。
当時の海外カルチャーの生き字引的に「本物」を見てきた人、またその時代に間に合わなくてもそのカルチャーに憧れ、後追いで研究しつつ現在のシーンに影響を与えている人達。いわゆる「文化オタク」な人達です。
だいたい皆、 中高生の時の流行なんかの影響で、ちょっとかじってみたりはするのだが、その時のままで止まっている人が大部分で、
一部の人がそのカルチャーを好きでい続け、より深く、その真髄を知ろうと色々勉強する。
昔まで遡ってそのカルチャーを研究したり、自分で本を読んだり映像を入手して調べたり。
実際に当時の映像や実物を探しまわってみたり、
実際に海外に行って同じライフスタイルで生活してみたり、憧れの人と一緒に仕事をしたり。
その結果、多分ですけど
◯これが好き!といった自分の好みや傾向と自分に似合うもの、というものがすり合わされて落ち着いてくる
◯「憧れ」というレベルから脱却し、そのカルチャーとの距離の取り方がうまくできるようになってくる。
意識した格好をしても、まんま中高生時代の格好やただのコスプレになってしまわないで、 今の流行やTPOにその好みやテイストをミックス出来るくらい、素材の一つとして消化できるようになる。
これが自然に無意識に出来るようになるので、結果的におしゃれになっている。
多分経済的余裕とかもあるんでしょうけど。
だから、おしゃれな人は音楽好きとか色々おしゃれなものを知ってる、とか言われる。
でも、文化オタクであってもおしゃれじゃない人達はもちろんいっぱいいるので断言はできません。
本当に良いもの、オリジナル、起源、元ネタを
知ってることは本当に大事だけど、「今」の空気や雰囲気に落とし込めない人はおしゃれではない。それはただのコスプレ。
ちなみに日本のカルチャー(サブカル)はどうでもいいです。日本のサブカルは海外のパクリ&劣化版なのでおしゃれになりたいなら無視してOK。例えば日本のバンドをいくらいっぱい知っていようとおしゃれにはなりません。
いずれ、海外の音楽とかに絞って服装との関連とか、単純に外人テンプレコスプレをして見た目だけオシャレっぽくすることの落とし穴などを書きたいと思います。
流行りものが好きなのとおしゃれなのは違う
よくおしゃれ指南ブログとかに
「清潔感のあるシンプルな服装に程よく流行を取り入れるくらいが良いでしょう」
とか書いてあると思いますが、実は、
程よく流行を取り入れるというのはそもそも流行ど真ん中のコーデを自分の体型に合わせて出来ないと出来ません。
割と難しいです。
まず「流行を程よく取り入れる」というのは、ベーシックなアイテムを一つか二つ、流行っているものに入れ替える、という意味ではありません。
例えば、いつもの格好の中のシャツだけを流行の形にしたところで「程よく流行を取り入れた格好」にはなりません。
正直やらない方がマシなことが多いです。
流行を取り入れる場合、実は最初から意識して「流行っぽいコーディネート」「流行っぽいシルエット」を作ろうとしないとそれっぽくはなりません。
だからと言って、全身流行のアイテムを着るのはあまりオススメしません。
これはまたそのうち書きます。
また、特に全身流行のアイテムを使ってテンプレコーデをしている人によく見られるのですが「流行の格好をする」事に意識がいきすぎて、肝心の「サイジングが甘い」人が大変多いです。
見ているとだいたいその人が着るべきサイズ感より「大きい」事が多いです。つまり、流行りものをブカブカで着ている人が多いです。
例えばちょっとゆったり目のサイズ感のTシャツが流行っている、という時、
あなたが今っぽくこなれて見えるサイズは意外とそんなに大きくないです。
単純にワンサイズ大きめを選んだら大きすぎで、実際は「ほんのちょっと大きい」くらいのバランスがちょうどよかったりします。
正解は、「流行ど真ん中のテンプレみたいなコーデを自分に馴染むように着崩す」のです。
これをやって初めて「流行を程よく取り入れた格好」になります。
単純に流行ど真ん中のテンプレコーデを自分のサイズ感で組めるレベルは正直「流行りものが好き」レベルだと思います。
おしゃれなのは「流行のコーデを自分なりに着崩せる」ところからです。
次点で、一応流行だけれど比較的難易度が高いアイテムをコーデできる、あたりでしょうか。
最近だとたまにバッファローハットなんかをGジャンとかと上手くコーディネートしている店員さんとかを見ると、「おっ!」と思います。
難易度が高い理由としては、そもそもバランス的に日本人に似合う人が少ない、コーデがテンプレ化しにくい、奇抜になりやすい、などがあり、まあ無理に真似する必要もないかと思いますが、そういう人を見ると羨ましいなと思います。
でも、実はそれが全身流行のアイテムだったりするので、次点にしているのですが。
まず、雑誌に出てくるような流行のコーデのバランスを自分の身体で再現できること、そしてそれを組むために各アイテムに必要なサイズ感を精査できることが「流行を取り入れ」つつ自然に見える(ニアイコール シンプル)
には必要だと思います。
また、これはあくまで見た目についての話です。他にも流行りものが好きなだけでおしゃれじゃない!と言われるポイントはまだまだあるので、言い方を変えて他の機会に書く事にします。
シンプルな服装とは何か
シンプルな服装がしたいと考える人は多いのではないでしょうか。
でも、シンプルって一体どんな服装でしょう。
僕は「身体中心主義」のことだと思います。
どういうことかと言うと、
服が全く似合っていない人に「裸の方がまだマシ」と言っているのを聞いたことがありませんか?
実はそれは正しいのです。
裸というのは自分自身そのものであり、
自分にとって自然な状態かつ、人体として完璧にバランスがとれた状態です。
そしてそこには個性があります。
洋服なんかで個性を出さなくても、
身体はそのままで強烈に「個性」なのです。
そして、僕はナルシストではないですが、
冷静に考えると、下手な服を着るよりよっぽどスタイルがマシに見えたりします。
全裸より海水パンツ一枚履いてしまうことで、裸だったら意識しなかったのにスタイルがめちゃくちゃ悪く見えませんか?
結局人間は裸が1番スタイルが良くバランスが取れて見えるのです。
みんな自分の体型を脚が太いだの短いだの肩が薄いだの言いますが、自分の裸は自分が望みうる最高の状態なのだと思ってみることが必要です。これがマックスなのだと。
これ以上には決してなれないのだと。
でも、裸で外に出る訳にはいきませんよね。
僕だって嫌です。
だから、服を着るというのは、裸を諦めて、裸の次に調和のとれた、劣化版の裸の状態を作るという事。あくまで身体が主で洋服が従です。
これが「身体中心主義」の中身です。
そして第二の裸として調和の取れている状態のまとまりを「シンプルな服装」と呼びます。
「シンプル」について考えるきっかけとなったのは、
服とは違うと言われるかもしれませんが、
昔アパレルのメンズバッグ部門でバイトしていた時、お客さんに「どんなの探してるんですか」と尋ねると、ほぼ100%「シンプルなやつ」という答えが返ってきたのを思い出します。
なので、そこそこ無難なデザインのもので、使うシーンや荷物の量などヒアリングして、お客さんの要望を満たすものを自社製品の中から提案するのですが、納得はしてくれても買ってはくれない。
じゃあシンプルって何なんだろう。
お客さんのほとんど全てが自分が求めるシンプルさがどんなものか分かっていない・説明できないのです。
でも、そういうお客さんでも見た目が気に入れば全然シンプルじゃなくても似合ってなくても買っていくのです。
あれ?シンプルって言ってたのに最初に言ってたのと違うじゃん。
シンプルなデザインというのは存在しません。
単純に無地とか伝統的なディテールとかニュートラルカラーというのでもありません。
さっき言ったような、
その人の身体を活かして全体で調和がとれてまとまって見えた時、そのうちのひとつひとつを「シンプルなアイテム」と呼んでいるにすぎないのです。
だから、皆さんがシンプルなものを探しているというのは納得です。
そして、それらがアイテム単位では分かりにくいというのも納得です。
だから、つい私達は「見た目」で服や靴やバッグを選んでしまいます。
髪型とかベルトはちょっと違うのですが。
それはまた別の機会に。
はじめに
これはいわゆるファッションブログではないかもしれない。でも服を着ることと関係があるのは間違いない。
背が高いわけでも、イケメンというわけでも、脚が長いわけでもなく、金があるわけでもない30過ぎの男が、18くらいから今まで、服を着る事と向き合ってやってきたこと、考えたことを書こうと思う。
とにかく「普通に」「シンプルに」服が着たいと思っているけど、何を買えばいいのかわからない、体型に自信がない、何が似合うのかわからない、という方に読んでほしいと思っている。